SLRとは
SLRとは「Straight Leg Raising」の略で、「下肢伸展挙上」という意味です。リハビリの現場でよく使用される言葉の1つで、下半身の運動や評価において使用されることが多いです。
SLRの目的
SLRを実施する目的は、「評価」と「運動」に分けられます。評価におけるSLRでは、主にハムストリングスの柔軟性や、腰椎椎間板ヘルニアによる神経痛の有無を調べる際に使用されます。運動療法におけるSLRは主に大腿四頭筋や腸腰筋の筋力トレーニング、ハムストリングスのストレッチで使用されます。
SLRの実施方法
SLRは、仰向けで寝た状態から、どちらか片方の下肢を、膝を伸ばしたまま上に挙げる運動を指します。自分の力のみで挙上するSLRを「自動SLR」または「active SLR」といい、他者の力によって挙上するSLRを「他動SLR」または「passive SLR」といいます。
SLRの注意点
SLRを実施する際に注意するポイントを3つ紹介します。
1つ目は、無理な伸張を加えないことです。他動SLRを実施する際は、ハムストリングスの伸張痛や神経痛に注意しましょう。強制的に伸張を加えてしまうと、筋損傷を起こしたり、神経痛が悪化したりする場合があります。
2つ目は、腰痛に注意することです。SLRによってハムストリングスが伸張されると、骨盤が後傾方向に引っ張られます。すると腰椎や仙腸関節に負荷がかかりやすく、患者さんが腰痛を引き起こしてしまうことも少なくありません。
3つ目は、下肢の痺れに注意することです。腰椎椎間板ヘルニアがある患者さんの場合、SLRにて神経根の圧迫が強まり、痺れが増強してしまう可能性があります。特に神経症状を訴えている患者さんに実施する際には、痛みや痺れに留意して角度を調整することが大切です。
股関節の可動域が腰痛の原因の場合もあるため、臨床上でもよく用いられる評価となっております。
私も新規の方はもちろん、既存の方にもほぼ毎回の施術時に実施しています。
その際に皮膚や神経、筋肉による可動域制限があれば、まずそれらを解放することを考えています。
以上が、SLRについての解説です。
お読みいただきありがとうございました。