リンパ郭清術

  • 2023年12月30日
  • 2024年1月3日
  • 日常

リンパ郭清術とは、乳がんの手術中に行われる一つの方法で、腋の下のリンパ節を切除することです。リンパ節とは、体内の老廃物や異物を排出する役割を持つ器官で、腋の下には多くあります。乳がんが腋の下に転移すると、リンパ節からがん細胞が体内に入り込む可能性があります。そのため、手術前にリンパ節を切除して、がん細胞の拡散を防ぐことが目的です。

がんの部位やステージによって郭清術が行われる部位は変わります。

しかし、リンパ郭清術にはデメリットもあります。例えば、以下のような合併症が起こる可能性があります。

– リンパ浮腫:手術後に腕や胸部に水分が溜まってしまい、腫れや痛みを引き起こす状態です。
– 感覚障害:手術後に腕や胸部の感覚が鈍くなったり、しびれたりする状態です。
– 肩こり:手術後に肩や首周りの筋肉や神経が圧迫されてしまい、痛みやこわばりを引き起こす状態です。
– 皮膚トラブル:手術後に皮膚の傷跡や色素沈着などが残ったり、感染したりする状態です。

どれも臨床でよく出会うことがあります。リンパ浮腫については軽減のために、様々なマッサージ方法も考案されています。

これらの合併症は個人差がありますし、必ず起こるわけではありません。しかし、重度な場合は日常生活や健康に影響を与える可能性もあります。そこで、最近ではリンパ郭清術を行うかどうかは患者さんと医師と相談して決めるようになっています。

また、センチネルリンパ節生検という方法もあります。これは乳房だけでなく全身からリンパ節を採取して検査する方法で、早期発見・早期治療・予防効果が期待できます。センチネルリンパ節生検は乳房再建(乳房を元通りに戻す手術)と併せて行うこともできます。センチネルリンパ節生検は不要な場合もありますし、必要な場合もあります。そのため、医師から詳しく説明してもらうことが大切です。

お読みいただきありがとうございました。

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