リハビリを拒否する患者さんへの対応には以下のようなステップがあります
- 傾聴:まずは患者さんの話をしっかりと聞きましょう。その中にリハビリを拒否する理由が隠れているかもしれません。
- 理由の探求:リハビリを拒否する明確な理由がある場合と、リハビリの必要性を感じていない場合があります。それぞれに対するアプローチが異なります。
- 対策の提案:リハビリを拒否する理由が明確な場合は、その問題を解決するための対策を提案します。例えば、「足が痛いから歩きたくない」という場合は、歩行訓練に固執せず、ベッドサイドで下肢の軽い運動や立つことから始めるのも良いでしょう。
- 感情への働きかけ:リハビリの必要性を感じていない場合、理屈ではなく感情(情動)に働きかけることが有効です。信頼関係を築くためには、会う回数を重ねることが大切です。
- 褒める:患者さんが行動のきっかけを見つけられるように、患者さんを褒めることも重要です。
これらの対応方法は一例であり、患者さんの状況やニーズにより適切な対応が変わることを覚えておいてください。また、これらの対応は専門的な知識と経験を必要としますので、具体的な対応を行う前に必ず専門家に相談してください。
リハビリを拒否する患者さんへの対応について、私の経験を元にお話ししたいと思います。
成功と失敗の経験
リハビリを拒否する患者さんへの対応がうまくいった例もありますが、逆になかなか改善しなかった例もあります。成功した理由としては、信頼関係を築くことが大きな要素でした。信頼関係が築けると、「あなたのリハビリだったら受けるよ」と言ってくれる患者さんが増えました。特に、断る理由が明確にない人の場合、関係性ができることによって、リハビリを受ける意欲が見えてきました。
しかし、全ての患者さんがそうだとは限りません。私が老年期の分野で働いてきた経験から言うと、リハビリの必要性を感じていない人や、自分の現状を露呈されることを嫌がる人、認知症があることによってリハビリを拒否する人もいます。
患者さんを理解する
そういった場合でも、どんな人であろうと、その人のことをしっかりと理解することが大切です。その人が何に価値を置いているのか、何を嫌がっているのかを知ることが重要です。そして、その人を理解するためには、具体的なツールを使うことが有効です。
私が使っているのは、作業療法の評価バッテリーの一つである「Mohost」です。これは、作業のパターン、作業の動機づけ、運動技能、処理技能、コミュニケーションと交流技能、そして環境という6つの観点から患者さんを評価し、その人の現状把握をするツールです。
このツールを使うことで、患者さんがリハビリを拒否する理由や、その人の性格、思考パターンなどを理解することができます。そして、その理解を元に、具体的な対応策を考え、行動に移すことができます。
結論
リハビリを拒否する患者さんへの対応は難しいですが、その人を理解し、その理解を元に行動を起こすことが大切です。そして、その過程を繰り返すことで、患者さんからの信頼を得ることができます。それが、良い循環を生み出し、リハビリの成功につながると私は信じています。
それでは、今日はここまでです。ありがとうございました。