こんにちは、今日は私がリハビリを提供する際の考え方についてお話ししたいと思います。
これまでに参加した様々な勉強会や読んだ本から得た知識を元に、特に老年期の分野、特別養護老人ホームやデイサービスなどでの勤務経験を活かした考え方を共有します。
タナベセラピーと動き出しは本人から
私が特に役立つと感じている考え方は「タナベセラピー」と「動き出しは本人から」です。また、武井壮さんの考え方やジェームス・クリアーさんの著書「複利で伸びる1つの習慣」も参考にしています。
タナベセラピー
タナベセラピーは、片麻痺の回復に有効とされるCIセラピーを基に作られたものです。麻痺の回復には、麻痺した部位を使わなければならないというのが大前提です。訓練場面だけでなく、日常生活のあらゆる場面で訓練で使いやすくなった腕や足を使うことを目指します。
具体的には、2週間から3週間の間に取り組む課題を決定し、その課題に取り組み続けます。この期間の根拠は、神経細胞の回復が大体2週間から3週間で見込めるからです。
例えば、右片麻痺の方がいて、上肢のブルンストロームのステージが4に近い場合(手指もできれば4が欲しいところですが)、その方には食事前のテーブルを拭く、コーヒーをこぼしてしまったらそれを拭くといった課題を提案します。
無目的な運動よりも
・「コーヒーをこぼしてしまったから拭いてきれいにしよう」
・「食事前だからテーブルをきれいにしよう」
・「食事食べ終わったらテーブルを拭いてきれいにしよう」
というように、目的がしっかりした生活動作の方が、脳の神経細胞が興奮しやすくネットワークの再構築がはかどると考えています。
動き出しは本人から
次に「動き出しは本人から」という考え方です。これは大堀具視先生が提唱している考え方で、テクニックではなく、自分自身が患者さんや利用者さんと向き合う時の心の在り方を示しています。
例えば、ベッドから車椅子への移動をする場面。
ご自分で移ろうとするのですが、まだ足の力が抜けてしまいそうな心配があったとしても、
・見守る
・少しだけ支える
・まさかの時のためにすぐ支えられる準備をして見守る
などの関わりが大切です。全て介助してしまうのではなく、なるべく本人の動き出しを生活場面で待つことで、生活を取り戻していきやすいと考えています。
まとめ
以上、セラピーを提供するときの考え方として、「動き出しは本人から」と「タナベセラピー」の考え方を基にすると、リハビリがうまくいきやすいという話でした。これは前半編とさせてもらい、後半編では武井壮さんと習慣の話をしていきたいと思います。
ありがとうございました。