もっと勉強しようと思った原体験

ある利用者さんとの出会いがきっかけでした。

その方は片麻痺があって、地域の健康体操教室に一生懸命通っていました。

僕もその方に携わる機会があったのですが、何事も徹底的にやる人というイメージです。

訓練メニューをお伝えすると毎日朝・昼・晩、指定した回数以上に取り組んできたり、

リハビリに役立つ道具などを紹介すると2〜3個買って、自分でもボロボロになるまで使い込み、周りの人にも進めたりしていました。

まだ2年目ぐらいだった僕が運営スタッフをやっていた体操教室にも来られていたのですが、

とても可愛がってくれ、1周年などの節目には教室の参加者やスタッフに差し入れしてくださったり。

すでに仕事は退職されていましたが、それは鬼のように仕事する方で業界でも有名人だったようです。

それだけ真剣な方を目の前にして、なんとか治りたいと言われ、大したことを伝えられない自分がすごく嫌でした。

なんでこの人が治らない?

なんでこの人に何もできない?

この方法しか言えないけどこれであってるのか?

と思いながら日々関わっていました。

だからもっと勉強しないとと思いました。これが僕の原体験です。

関する論文や研修会に参加して、今までよりはちょっと良い効果を出せても、長続きしなかったり、また違う壁にぶつかったりでした。

先輩や友人に相談すると、作業療法士としてその方のQOL向上につながるアドバイスを受けました。

それ自体はすごく必要で(麻痺訓練こそ生きがいってのも違うケースがあるので)、今でもいろんなクライアントに活用できています。

ただ

「片麻痺まじで改善しないの?なんとかならないの?」

って人がいたらどうすればいいのでしょうか。

それに答えを出せなかった当時はリハビリ業界が嫌になりそうでした。

これを書いている今(2023年6月)も、

麻痺に対しては疼痛を和らげたり、関節の可動域や動かしやすさを若干改善できる程度で、

根本再生の方法はわからないです。

ただ一つだけちゃんと言えるのが、

これからも日々勉強や検証を続けて、その中で「なんとかしてほしい!」と言う方に出会ったら、

力になれるぐらいの知識・技術を身につけておくということです。

ご覧いただきありがとうございました。

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