動き出しは本人からという介護の基本
介護をするときに、利用者さんの動きを待ってから支援することを「動き出しは本人から」と言います。これは、利用者さんの意思や能力を尊重し、自立した生活を支えるための介護の基本です。
動き出しは本人からが大切な理由
では、なぜ「動き出しは本人から」が大切なのでしょうか?
まず、利用者さんの動き出しは、その人の思いや気持ちを表すものです。
例えば、ベッドから起き上がろうとする動きは、「今日も一日頑張ろう」という前向きな気持ちを示しています。
逆に、動き出さないことは、「もう何もしたくない」という意志の表れかもしれません。利用者さんの動き出しに気づき、声かけをしたり、手助けをしたりすることで、利用者さんの思いに寄り添い、「この人は自分のことをわかってくれている」と信頼関係を築くことができます。
次に、利用者さんの動き出しは、その人の能力や可能性を表すものです。
例えば、寝返りをしたり、立ち上がったりする動きは、身体の機能や筋力を維持するために必要な動きです。
逆に、動かないことは、身体の機能や筋力の低下を招くことになります。利用者さんの動き出しを待ち、適切な支援によりそれをつないでいくことで、利用者さんの能力や可能性を引き出し、自立した生活を支えることができます。
まとめ
「動き出しはご本人から」の介護は、利用者さんを動かすのではなく、利用者さんの動きを受け止めることです。それは、利用者さんが生活の主体であることを認めることです。私たちは、利用者さんの動き出しに敏感になり、その動きを奪わないように気をつけながら、さりげなく支援することが求められます。
この考え方を実践して10年になりますが、これこそが介護のスタンダードになっていくべきものだと考えています。
次回のブログでは、より具体的な場面で「動き出しを待つとはどういうことなのか?」を解説していきます。
本日もありがとうございました。